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●相続時課税清算制度とは?
 相続時精算課税制度とは、結論からいうと、生涯で1人の親からの贈与について2,500万円の枠が与えられたという制度です。
 ちょっと難しくいうと、生前贈与の受贈者(もらう人)が贈与時に贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産を合計した価格をもとにして相続税を計算する、そして相続税からすでに支払った贈与税を控除するという制度です。つまり、贈与税、相続税を通じた納税をする、つまり一体化する制度だといえます。
この制度の適用対象者は、贈与者の場合は65歳以上の親に限られます。もらうほうの受贈者は、20歳以上の子供である推定相続人、つまり親が亡くなった時の相続人になる人ということです。ここでいう推定相続人には、代襲相続人、すなわち子供が亡くなって孫が相続するという場合も含みます。
 この制度を使用するには、選択を行おうとする受贈者(一般にはその子供)が、その選択にかかわる最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、所轄の税務署長にその旨の届け出をすることよって行います。届け出は、贈与税の申告書に添付するわけです。
 なお、 この制度は、もらう側もあげる側も複数人が使用できます。例としては、受贈者である兄弟姉妹、例えばお兄さんはお兄さんで選択できるし、弟さんは弟さんで個々に使えます。と同時に、贈与者は父、母が別個に使用できます。従って、長男が父からの贈与に関して使用する、あるいは長男が母からの贈与に関して使用するということが可能です。
 この制度は、一度届け出をすると、相続時までは固定的に継続して適用されます。なので、後から「止める」というわけにはいきません。ここは注意して下さい。
 次に、対象財産ですが、贈与財産の種類、金額、贈与回数には、制限を設けていません。例えば、土地建物をもらってもいいですし、オーナー社長さんの自社株をもらってもいいのです。さらに、金額はいくらでもかまいません。何億円をもらってもいいし、何百万円でもいいということです。さらに、一度贈与したら次の年はだめだとか、3年毎に贈与してくださいという制限もありません。贈与回数は何回でもいいのです。但し、この場合の控除額が2500万円なので、これを超えると課税されます。
そして、その 贈与税の計算ですが、本制度の選択をした受贈者(もらった子供)は、本制度にかかわる贈与者からの贈与財産について、贈与時に申告しますが、、これは他の贈与財産と区分して、その贈与者の贈与財産の価格の合計額をもとに計算した贈与税を払います。この贈与税の額は、贈与財産の価格の合計額から複数年にわたり利用できる2,500万円(非課税枠)を控除した金額に一律に20%の税率を乗じて算出します。
  
贈与税額=[贈与財産価格の合計額−2,500万円]×20%
          ※控除は一時に2,500万円ではなく、生涯に2,500万円ということに注意
 つまり、500万円を5年間もらい続けると2,500万円の枠になりますが、ここまでは贈与税はかかりません。それ以上もらった場合には、一律20%の贈与税を納めることになります。例えば、3,000万円もらった場合には、2,500万円を引いて500万円の20%が100万円となり、この金額の贈与税を納めます。
(例)3,000万円もらった場合の贈与税
   =[3,000万円−2,500万円]×20%=100万円

 最後に、この制度を選択した場合の相続税の計算ですが、本制度にかかわる贈与者からの相続時には、今までもらった贈与財産とそのときに残っている相続財産を合算して、現在の相続税の計算をします。そして、従来通りの相続税の計算をしますが、その相続税からすでに払った贈与税額は控除していいということです。「相続時に精算する」ということは、この意味です。そして、もしも贈与税が相続税よりも多い場合には、その分の還付を受けることができます。
 なお、よく聞かれるのが「相続時に計算するときの価格は、贈与のときの評価額なのか時価なのか、相続のときの時価なのか、どちらか」という点ですが、これは、贈与のときの評価額です。つまり、相続時に贈与財産の評価額が下がっていれば、贈与時の評価額のほうが高いわけですから、高い価格で相続税を計算しなければなりません。逆に、上がっていた場合には、贈与時の低い評価額でいいということになります。


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